2014年6月29日日曜日
9 ジャックロンドン 荒野の呼び声
これは、本当によかったです。今年読んだ中で今のところ一番に面白かった本だと思います。主人公はバックという名前の犬なんですが、この犬のそりへの取り組み方が半端ではなくて、それを何か自分と比較してしまうんですね。
途中で、全然駄目な主人に使わされてしまうことになるんですが、その場面のバックの姿とか本当にかっこいい。
人間もここに出てくる犬も働いて生きていくわけなんですが、ややもすると真面目に働くことがばからしいとか、仕事以外の部分が充実している人生がすばらしいという考えに陥りやすいものだと思います。自分自身今の仕事の何が楽しいのかよくわからなくなってきてますが、そのような自分にまさに響いてくる物語で、私の中の悩みはいっそう悩ましくなるのです。
堕落していく文明の批判者とか見出しに書いてあるんですが、そのようなメッセージにピンとこなくても読んだ人それぞれに思うところはあると思います。
2014年6月8日日曜日
7 ホーソーン『緋文字』
前回のマスターピースに収録されていたホーソーンについて、他の作品にも興味が出てきたので読んでみました。名前だけは知ってたんですが、内容は全然知らなかったです。恥ずかしい話緋文字の「緋」ってなぜか紐と勘違いしてまして。しかし予備知識なしに読んだこととは関係なく、正直読みにくいなーと感じました。
パッチをあてるっていう設定が好きですね。Aって結局何のAなのかはっきりしてないんですよね。開拓時代のアメリカのイギリスから逃げてきた清教徒がどんな人たちでどんな生活をしてどんな考え方を持った人たちなのかということを勉強すればもっと面白く読めるかもしれません。
パッチをあてるっていう設定が好きですね。Aって結局何のAなのかはっきりしてないんですよね。開拓時代のアメリカのイギリスから逃げてきた清教徒がどんな人たちでどんな生活をしてどんな考え方を持った人たちなのかということを勉強すればもっと面白く読めるかもしれません。
2014年2月9日日曜日
1 ホフマン『砂男/クレスペル顧問官』
一冊目は、ホフマン「砂男」です。砂男といって思い出すのは、ドラえもんの45巻に眠れない人を寝させる砂男が出てきますね。
この話が元だと思っていましたが、どうやらそうでないようです。これよりもさらに昔のドイツ民間伝承の中に砂男という妖精がいて、ホフマンはそれを下敷きにしてこの作品を書いているようです。
昨年から、アンにはまっていたんですが、物語の中でアンが小説や詩に夢中になる場面やアン自身が物語を書く場面が出てきます。アンは悲しい物語を書いたつもりなのに、なぜか読んだ人はみんな笑ってショックを受けるという場面があって、この挿話が僕は一番好きなところです。とってもよくわかる。
それはさておき、アンが物語や詩に夢中になった頃、どんな話が読まれていたのか、非常に気になりました。物語の中で具体的なタイトルはほとんど出てこないんですね。唯一出てくるのは、ダイアナが貸してくれた『不思議の国のアリス』ですが、これが書かれたのが、1850年ころです。アンが書かれたのは1900年頃。この頃の文学は今では古典として読まれていますね。
話は変わりますが、今カルチャーラジオで幻想文学の講義をやっていて私は欠かさず聞いています一回目以外は。幻想文学っていったい何を幻想文学というのかよくわからないですよね。自分でも「国書刊行会が出してるような本」くらいのイメージしかなくて漠然としていました。ラジオを聞いてもやっぱり何がそれなのかよくわからないままですが、ホラーやサスペンス、SFといったジャンルがまだ区別がはっきりしない時代、文学とは異なるエンターテインメント性の高いものをひっくるめてそう言ったようです。
アンの中で怖い話を読むなと先生に言われるところがありましたが、それこそ幻想文学だったのではないでしょうか。
それから、もう一つ勘違いしていたことがありまして、オペラのホフマン物語はホフマンを題材にした物語と聞いていたのでてっきりホフマンの人生を描いたものかと思っていたのですが、ここにおさめられている三編(もう一つは「大晦日の冒険」という話)を主人公をホフマンにして一つの話にしたということみたいです。大胆なことをしますよね。願わくは、ホフマン物語の「ホフマンの舟歌」を一度生で聞いてみたいものです。
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